​ネ オ 日 本 建 築

これは日本人が日本の伝統文化に対する帰属意識を再構していくための建築物を媒体としたデザインプロジェクトである。
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​勘 案 の 背 景
昨今、日本人は日本人としてのアイデンティティーを失いつつあるのではないか?
建築分野においては数奇屋造りを初めとする
伝統的な意匠を纒った新築住宅は皆無と言って良い程だ。
それもそのはず、伝統的な意匠で建築物を構成するには、特異な材料を用いて、
数奇屋大工等の職人が施工を行わないことには成り立たないのである。
特異な材料は入手が困難な上高価であり、数奇屋大工等の職人は絶対人数が少ない。
このような時代背景が一つの要因となり、
「日本建築の伝統的な意匠はそのアイデンティティーを失いつつあるのではないか」
という考えに至った。
日本建築の伝統的な「意匠性」を後世に残すべく、
「ネオ日本建築」というアップデートされた意匠様式の創出を試みた。
​実 装 の 道 程
「ネオ日本建築」の礎となるのは、
「侘び寂び」といった概念に代表される日本建築の「伝統的な意匠美」を一旦解体し、
ソレらの要素が持続可能な日本建築的意匠美を有するように再構築することであった。
ネオ日本建築の躯体を構成する工法は、
一般に流通しているホワイトウッド構造用集成材を使用した金物工法を採用した。
内観の現しとなる天井には桧合板、間柱には荒材としての
ホワイトウッドをサンディングして使用した。
元来の真壁構造は、縄を編んだ竹に藁を混ぜた土を塗りつけ、それらの壁を下地とし、
漆喰や珪藻土等を左官鏝でしごくのが一般的であるが、ネオ日本建築の真壁構造は、
PBを壁下地とし塗装仕上げとした。
2階吹抜け部の手摺りにはCNCルーターで紋様を施した
欄間としての合板パネルを設けた。
外観を構成する屋根材・外壁材には無機質で閑静な心象を与える
ガルバリウム鋼板を使用し、「侘び寂び」の概念に新たな要素を付与した。
「ネオ日本建築」
​其れは
一般流通材により構成され
一般技術により施工可能な
日本建築的意匠美を有する

持続可能な意匠様式である